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命の糧を作る仕事

雲仙岳を望む

ようやく一人前のネギ農家を名乗れるようになった頃、とても美味しい野菜に出会いました。その作り手の方から掛けていただいた言葉を、私は生涯忘れません。

「農家は、みずからの生産物を買っていただき、生活を繋ぎます。そしてお客様は、それらを食べて命を繋ぎます。命の糧を育むこの素晴らしい仕事に、誇りを持って励みましょう」

それを聞いた私は、より一生懸命がんばろう、と心に決めたのでした。

「私たちは、命の糧を育む素晴らしい仕事に携わっているのだから、誇りを持って農業をしましょう」

つねに課題に目を向け、改善を積み重ね続ける。

平成16年当時、我が家が所有する農地は総面積110aでその多くが山間部にあり、日当たりが悪いうえに冬の気温も低く、排水も良くありませんでした。その後、知人や身内の紹介などで農地を増やして規模拡大をおこない、平成22年には補助事業を活用して“ねぎ掘り取り機”を導入するなどし、現在は7haを超える面積で生産を手掛けるまでになりました。作業の中でいちばん大変だった“ねぎ掘り取り”が、機械の導入により作付面積の急拡大にも対応でき、それに伴い、運搬も軽トラック2台分から5台分へ、さらには2トン車1台分になり、より大きな冷蔵貯蔵庫や、より馬力の大きなトラクターも導入しました。

つねに課題に目を向け、改善を積み重ね続ける。

​自然がもたらすものを、最大限に活用する。

​自然がもたらすものを、最大限に活用する。

土づくりは、特に緑肥・堆肥に力を入れています。学校や保育園、老人ホームの周辺にたくさんのひまわりを植え、「どうぞ貰ってください」という看板を立てて、地域の方々にも喜んでいただいています。地元の中学生が自転車のカゴにひまわりを入れて通学しているのを見ると、「うちのひまわりを学校で生けてくれているのかなぁ」と、とても嬉しくなります。

堆肥は、夏は牛ふん、冬は鶏ふんを使います。牛ふんは、島原でも定評のある畜産農家の完熟堆肥を使い、また鶏ふんは地元の畜産農家との連携による地域内循環を心がけ、遺伝子組み換え作物を与えていない鶏のものだけを使っています。

きちんと管理することで、安定した品質を保つ。

40箇所以上ある圃場は、それぞれ番号をつけて管理しています。肥料や農薬などの資材は前年度の取り組みを基準に検討し、栽培管理記録簿を作成し、圃場ごとに使用資材の記帳をおこないます。白ネギはある程度の乾燥には強い一方、水にはとても弱い作物です。夏秋収穫分はなるべく標高が高く、水はけの良い、少し傾斜のある畑での栽培を心がけています。また土寄せは、1回目と2回目の溝施肥後におこないますが、これが結果的として根元への局所施肥、つまり減肥につながっています。農薬・化学肥料は慣行栽培の半分以下を実現し、今はさらにそれ以下を目指してがんばっています。

きちんと管理することで、安定した品質を保つ。

“生きているもの”を育み、それに育まれる生き方。

“生きているもの”を育み、それに育まれる生き方。

1年を通して出荷していますが、ネギの周年栽培でもっとも難しいのが夏秋の栽培です。台風はもちろんですが、近年は7月から9月にかけて「数十年に一度」と言われような大雨が降ったり、観測史上最高気温を更新したりと、年々厳しい気象条件が重なっています。そんな今、“生きているものと向き合う”という姿勢が、あらためて農業に必要とされていると考えます。

生産物に最大限の愛情を注ぎ、自信を込めることこそ、恩師とお世話になった皆様に報いることにほかなりません。消費者のニーズが量より質へと変わっている今、私たちも、味や見た目はもちろん、よりいっそう安全・安心の追求に努めてまいります。